概要
2023年5月、大阪府八尾市の市立小学校に通う小学1年生の女児が遠足中、水筒が空になったためお茶を購入することを希望しましたが、教諭に認められず、熱中症で救急搬送されました。その後、女児と両親は学校側に安全配慮義務違反があったとして、約220万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴しました。
経緯
2023年5月、女児は学校行事で遠足に参加。
遠足中に水筒が空になったため、女児はお茶を購入したいと教諭に申し出る。
しかし、教諭は「ルールで禁止されている」として購入を許可しなかった。
その後、女児は体調不良を訴え、帰宅後38度を超える高熱で救急搬送。
病院で「熱中症」と診断される。
女児と両親は学校側に安全配慮義務違反があったとして、約220万円の損害賠償を求めて提訴。
争点
学校側の安全配慮義務違反の有無
女児の熱中症と水筒購入禁止との因果関係
損害賠償額
学校側の主張
水筒を持参させることで水分補給を徹底していた。
女児は体調不良を訴えなかった。
熱中症になったのは個人の体質や体調によるもの。
女児側代理人の主張
気温が高く、水筒だけでは水分補給が不足していた。
女児は喉の渇きを訴えていたが、教諭が適切な対応を取らなかった。
水筒購入禁止は児童の安全を脅かす不合理なルール。
今後の見通し
裁判所は、学校側の対応が適切だったかどうか、女児の熱中症と水筒購入禁止との因果関係などを慎重に判断していくものと思われます。
論点
この訴訟は、学校における安全配慮義務の範囲や、児童の健康を守るための適切な対応について、重要な判断が示される可能性があります。また、学校側のルールが児童の安全を脅かす場合があるという点も議論されるでしょう。
類似事例
過去にも、学校行事で児童が熱中症になったり、事故に遭ったりしたケースで、学校側が安全配慮義務違反で訴えられた事例があります。
社会への影響
この訴訟の判決は、学校や教育委員会の安全管理に対する意識を高めるだけでなく、児童の健康を守るための新たな指針策定にもつながる可能性があります。